社員にAIの使い方を研修するなら、厚労省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)が使えることがあります。中小企業なら研修費の75%(1人1本あたり上限30万円)の経費助成と、1人1時間1,000円の賃金助成です。研修は入門・中級・上級の3本に分けて用意しています。
制度の要点
出典は厚労省の支給要領です(PDF)。私が確認した範囲を書きます。細かい要件は要領と労働局で確かめてください。
- 経費助成は中小企業で75%。10〜100時間の研修なら、1人につき研修1本あたり上限30万円
- 賃金助成は1人1時間1,000円
- 1人が助成を受けられる研修は、1年度に3本まで
- 外部の研修会社になれるのは、定款の目的に教育訓練事業がある法人だけ
- 「コンサルタントによる経営改善の指導」「社内の作業環境の構築・改善」は対象外
- 令和4〜8年度の期間限定。以降続くかは未確認
- 審査は研修の後。出るかどうかは研修が終わってから決まる
研修の3本立て
各10時間(2.5時間×4回)。説明3割、演習7割です。上の段は下の段の続きで、同じ単元はくり返しません。
| 入門 | 中級 | 上級 | |
|---|---|---|---|
| 一言で | AIを安全に、毎日の仕事で使えるようになる | 部署の仕事ごとに、AIで速くする型を身につける | 繰り返しの仕事を、自分で自動化できるようになる |
| 終わるとできること | 社内ルールを守って、文章・調べもの・要約をAIに頼める | 文書・表計算・書類の読み取り・資料作りを、AIを使って一通りこなせる | 自分専用のAIアシスタントと、表計算+AIの自動処理を自分で作れる |
| 受ける条件 | なし(文字が打てればよい) | 入門の修了 | 中級の修了 |
| 確かめ方 | 修了テスト(筆記・実技) | 見本データでの実技テスト | 修了制作(見本業務の自動化)と発表 |
- 入門: AIのしくみと社内ルール → 指示の出し方の型 → 文章の仕事(下書きはAI、確認と送信は人)→ 調べもの・まとめと修了テスト
- 中級: 文書と問い合わせ対応 → 表計算と集計 → 書類の読み取りと転記 → 資料作りと実技テスト
- 上級: 自動化の考え方と設計 → 自分専用のAIアシスタント → 表計算+AIの自動処理 → 運用・安全と修了制作
演習の題材は、こちらで用意した見本データ(業種に近い架空の請求書・問い合わせ・在庫表など)です。お客様の実データで成果物を作る形にはしません。それは研修ではなく「作る仕事」になるからです。
値段の考え方
- 都度見積もりです。決まった値段表は出しません。受講人数、見本データや教材の作り込みの量、交通費、添削の時間で変わります
- 講師の単価は全社共通です。お客様ごとに変えると、値段の理由が説明できなくなります
- 助成金を使うかどうかで値段を変えません。 同じ内容なのに助成金の有無で差があると、要領で対象外になります
- 助成の上限に合わせて値段を決めることもしません。積み上げた結果だけを出します
- 研修費は先に全額をお支払いいただき、助成金は研修の後に御社が申請して戻る形です
- 不支給なら全額が御社の負担になります
- 見積書は研修1本ごとに分け、内訳表を付けます。内訳表は、御社が申請に付ける価格の説明書類のもとになります
注意
- 経営改善の指導や、社内の仕組みづくりは研修に入れません。制度の対象外だからです。「御社の業務を自動化する道具を作る」相談は、研修とは別の契約になります(→ 費用はどう決まるか)
- 期間限定の制度です。令和8年度(2027年3月)までの予定で、以降続くかは分かりません
- 審査は研修の後です。助成が出る前提で予算を組まないでください
提供元
株式会社EviRichです。定款の目的に教育訓練事業を加える手続きを進めています。
よくある質問
助成金は、もらえる前提で考えてよいですか?
やめたほうがよいです。審査は研修の後で、不支給なら全額が御社の負担になります。助成が無くても受ける価値があるか、で決めてください。
自社の実際のデータで演習できますか?
しません。こちらで用意した見本データで演習します。実データで成果物を作ると、研修ではなく「作る仕事」になり、制度の対象外になるおそれがあります。
研修の後に、そのまま自動化を作ってもらえますか?
できますが、研修とは別の契約です。研修の中には入れません。
研修中の社員の給料はどうなりますか?
制度には、研修を受けた時間に対する賃金助成として1人1時間1,000円があります。給与の扱いそのものは御社の就業規則と労働局で確かめてください。